第27回バンクーバー・アジアン・フィルム・フェスティバル(VAFF)が2023年11月2日から12日まで開催される。会場での上映会からオンラインのプログラムまで様々なイベントが、のべ11日間の開催期間中に行われる。カナダそして世界中から選りすぐられた、アジア人フィルムメイカー達の長編・短編映画が一挙に上映される。本記事では、バンクーバー・フィルム・スクール卒の本誌記者・山脇大夢のおすすめ作品並びに日本からの参加作品を紹介する。
世界初の女性奏者だけの和太鼓コンサートの裏側を追ったドキュメンタリー「Finding Her Beat」
アメリカ・ミネソタに暮らす二人の女性和太鼓奏者が世界初の女性パフォーマーだけのコンサートを開催するため立ち上がった。その裏側には、女性は一人前とは認められない和太鼓界の伝統があった。彼女達は、日本そして北米中から集められた和太鼓奏者達で女性のみの和太鼓一座を結成する。新型コロナウイルスの脅威と戦いながらも、和太鼓界の伝統を覆すため世界初のコンサートの舞台に立つ。
ダイナミックな太鼓パフォーマンスと決死の精神に支えられた「Finding Her Beat」は、音楽、文化的表現、そして姉妹愛を描いた、元気と高揚感をもたらす物語。今年の VAFF の一番のおすすめ作品、迫力の太鼓パフォーマンスをぜひ劇場の大画面で楽しんでいただきたい!
(Finding Her Beat ポスター、VAFF 提供)
「Finding Her Beat」上映スケジュール
・11月4日(土) 12:00 PM場所:International Village Theatre(88 W Pender St 3rd floor, Vancouver)
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VAFF 開催期間中オンラインで観られる日本の短編映画3選
短編映画「Eatversity」
あらすじ:ハナは猫の格好をするのが趣味の青年。 ある日、愛する女性にフュージョン料理のお店に連れて行かれた彼は、運ばれてくる料理を通してこの世の不条理を知り始める。
独特の世界観と強烈なストーリー展開に目が離せなくなる、22分間の衝撃作。観る者の不安を煽る仕掛けが随所に施されており、独特の世界観を作り上げている。特に効果音そしてカメラワークに注目してみていただきたい。
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短編映画「青と白」(英題:Blue and White)
あらすじ:最愛の妻を亡くし、葬儀の日も塩を作り続ける職人の龍介。そんな時でも塩作りに没頭する姿を見た孫娘みどりが、その真意を聞く。この土地でしか作ることのできない塩を作り続け、その歴史を守っていくことが使命だと思っている龍介。
名優・國村隼の演技が光る、自然と人の営みに焦点を当てた作品。観た後に少しだけ日本が恋しくなります。
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短編映画「たたら」
あらすじ:父親のデイビッドと不仲になった主人公・ウィルは、日本の伝統的な炉「たたら」で働くために日本へ旅立つ。 10年後、デイビッドは島根に住むウィルの元を訪れる。 ウィルの人生観を彼が理解し始めるにつれ、二人の関係は修復へと向かっていく。
島根の大自然と伝統的な製鉄技法「たたら」を圧倒的な映像美で届ける。
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VAFF 開催期間中の11月2日から12日まで、上記3作品を含める53作品がオンラインで視聴できる。この機会に普段見ることのできない作品を自宅から見てみてはいかがだろう。