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山脇 大夢(やまわき・ひろむ)

山脇 大夢(やまわき・ひろむ)

鳥取県出身。15歳で渡加し、カールトン大学映画学科を卒業。バンクーバー・フィルム・スクールを卒業後、「SHOGUN」「So Help Me Todd」などのドラマシリーズの撮影に参加している。自主制作映画も作っており、監督作品・短編映画「Okuribi」は第27回バンクーバーアジアン映画祭に入選している。

第27回バンクーバー・アジア映画祭 11月2日より開幕

第27回バンクーバー・アジア映画祭 11月2日より開幕

 第27回バンクーバー・アジアン・フィルム・フェスティバル(VAFF)が2023年11月2日から12日まで開催される。会場での上映会からオンラインのプログラムまで様々なイベントが、のべ11日間の開催期間中に行われる。カナダそして世界中から選りすぐられた、アジア人フィルムメイカー達の長編・短編映画が一挙に上映される。本記事では、バンクーバー・フィルム・スクール卒の本誌記者・山脇大夢のおすすめ作品並びに日本からの参加作品を紹介する。 第27 回バンクーバー・アジアン・フィルム・フェスティバル公式ポスター、VAFF 提供 世界初の女性奏者だけの和太鼓コンサートの裏側を追ったドキュメンタリー「Finding Her Beat」 アメリカ・ミネソタに暮らす二人の女性和太鼓奏者が世界初の女性パフォーマーだけのコンサートを開催するため立ち上がった。その裏側には、女性は一人前とは認められない和太鼓界の伝統があった。彼女達は、日本そして北米中から集められた和太鼓奏者達で女性のみの和太鼓一座を結成する。新型コロナウイルスの脅威と戦いながらも、和太鼓界の伝統を覆すため世界初のコンサートの舞台に立つ。  ダイナミックな太鼓パフォーマンスと決死の精神に支えられた「Finding Her Beat」は、音楽、文化的表現、そして姉妹愛を描いた、元気と高揚感をもたらす物語。今年の VAFF の一番のおすすめ作品、迫力の太鼓パフォーマンスをぜひ劇場の大画面で楽しんでいただきたい! (Finding Her Beat ポスター、VAFF 提供) 「Finding Her...

バンクーバー国際映画祭「バカ塗りの娘」の鶴岡慧子監督インタビュー

バンクーバー国際映画祭「バカ塗りの娘」の鶴岡慧子監督インタビュー

 10月8日まで行われていたバンクーバー国際映画祭(VIFF)で日本映画「バカ塗りの娘」(英題:Tsugaru Lacquer Girl)が上映された。  今作は高森美由紀さんの小説『ジャパン・ディグニティ』を原作に、鶴岡慧子(つるおかけいこ)監督が映画化した。青森の伝統工芸・津軽塗を題材に、不器用な主人公・美也子が津軽塗職人の父との暮らしの中で自身の進む道を見いだしていく人間ドラマで、地方の過疎化、後継者問題や同性婚など現代の日本の社会問題にも触れる作品だ。上映会場には日本から鶴岡監督も来場し、インタビューに応じてくれた。(取材・文 山脇大夢 撮影・杉岡岳) 「バカ塗りの娘」がカナダ・バンクーバーで上映された事に対してどう思われますか? 「今までの私の作品の中でも(バカ塗りの娘は)わかりやすく日本の文化を取り上げているし、『堂々と日本の風景を撮ろう』との思いがあったので、海外の方のほうが映画に入りやすいのかなと思いました」 鶴岡監督が元の小説から脚色した部分が多くあるとお聞きしましたが、どういった部分が脚色されていますか? 「原作は色々な要素が多くありまして、例えば主人公の美也子と父親がやっている工房に修理の依頼にくるお客さんのエピソードが3つほどあって、小説ではそれがメインになっています。映画化にするにあたって、それら全てを描き切るには時間が足りなかったので、そこをバッサリと落としました。代わりに津軽塗りという主要なモチーフと家族のドラマにフォーカスしました。家族のドラマを少し強めるために原作に登場しない、おじいちゃんを映画オリジナルのキャラクターとして付け加えました」 青森の方言がすごく印象に残っていますが、どういった思い入れがありますか? 「以前から、方言がちゃんとある映画を撮りたいと思っていて、今回それができるチャンスだなと思って取り組みました。私は津軽の出身ではないので、現地の弘前の方に脚本を直していただきました。主役の堀田真由さんと小林薫さんも津軽の出身ではなく、お二人ともすごく苦労されていて、特に小林さんは年配で方言の強い役だったのでトレーニングに苦戦されておられました」 バンクーバーの上映では、映画のとあるシーンで木野花さん演じる吉田のばっちゃが小林薫さん演じる主人公の父・清史郎に「これだから日本の男はダメだ!」と諌めるシーンで会場全体からどっと笑いが起こっていました。カナダの方々のこの反応にどう思われましたか? 「気持ちいいくらい爆笑されていてありがたかったです。日本の上映でも、あのシーンは結構笑いが起きていて、女性の方は笑って男性の方は黙るというリアクションが起きているらしいです。バンクーバーでは日本の倍くらいの笑いが起こっていて嬉しかったです」 バンクーバー映画祭にて本誌のインタビューに応じる鶴岡慧子監督(撮影・杉岡岳) 今作では主要な登場人物に性的マイノリティの方が登場されますが、制作にあたって取材などはされましたか? 「舞台の弘前市ではパートナシップ宣誓制度というものを市が導入しています。この映画を制作するにあたって、この制度を運用するスタッフの方々に取材をさせていただきました。パートナシップ宣誓制度を導入するにあたって、市民の皆様からパブリックコメントを募集したらしいのですが『青森にそんな人はいません』などのすごく厳しい意見が多くてそれを読んで私もちょっとびっくりしました。最近、日本では LGBTQ という言葉や LGBTQ の方々への理解が広まっているから、これをあえて映画の中に登場させると、今さら感があるかなと心配していたのですが、パブリックコメントを読んでまだちゃんと取り上げないとダメだなと思いました」 バンクーバー国際映画祭にて本誌のインタビューに応じる鶴岡慧子監督(撮影・杉岡岳)...

第42回バンクーバー国際映画祭 上映ラインナップ発表!今年の注目作品3選

第42回バンクーバー国際映画祭 上映ラインナップ発表!今年の注目作品3選

 トロント国際映画祭とともにカナダ二大映画祭の双璧をなすバンクーバー国際映画祭(Vancouver International Film Festival、以下VIFF)の上映ラインナップが9月6日発表された。今年は9月28日から10月8日の約2週間の日程で開催される。のべ140本の長編作品と100本の短編、スペシャルトークイベントやライブパフォーマンスなどイベント盛りだくさんのプログラムとなっている。  初めてVIFFに参加する人や、140本もある長編作品の中からどれを見れば良いかわからない人のために、バンクーバー・フィルム・スクール卒の記者・山脇大夢が今年の注目3作品を紹介する。(取材 山脇大夢) 日本の巨匠・宮崎駿監督、10年ぶりの新作 「君たちはどう生きるか」(英題:The Boy and the Heron)  日本では公式ポスター以外、一切の情報が明かされず劇場公開され、その斬新なPR戦略が話題を呼んだ本作。日本が誇る巨匠・宮崎駿監督の10年ぶりの最新作がカナダ初公開される。 あらすじ:第二次世界大戦中の日本で育った少年・マヒトが、しゃべるサギに出会い、自らの養母を救うため旅に出る、冒険活劇ファンタジー。  映画評論家からは、第二次世界大戦中の1941年に生まれ、父親は飛行機製造工場に勤務し、東京大空襲ののち一家で田舎に移住した、宮崎監督の半生になぞらえた物語になっているのでは?と考察されている。  カナダでの一般公開よりひと足さきにVIFFで鑑賞してはいかがだろう? photo credit:IMDB 「君たちはどう生きるか」上映スケジュール 10月6日(金)6:30 PM(字幕上映)場所:Vancouver...

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