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Tag: ヨガと健康

池側和子(いけがわ・かずこ)コラム カバーイメージ

第95回 ~バンザイ三唱を!~

(バンクーバー新報に20年以上掲載された、故、百々子・鈴木・パウルス師による人気コラムを、さらに加筆しながらヨガに関連した内容を連載しています。) バンザイ三唱を!  次に迎える年が2000年(この記事が掲載されたのは1999年12月です)。新世紀とあって巷は騒がしいですが、どんな年でも念頭にあたって思うことは、やはり「今年も健康で幸せな年でありますように!」ということではないでしょうか?そこで今年最後のヨガからのメッセージは、健康のため幸せな新年のために「バンザイ三唱のススメ」です。 <姿勢が感情に与える影響は強し>  悲しい時、落ち込んでいる時、疲れている時、私たちは必ず肩を落とし、背を丸めて、下向きかげんの実に ”情けない” 姿勢をしているもの。もし今あなたが落ち込みの真っ只中で、心身共に疲れているとしたら、背筋をスッと伸ばし、胸をはるのがいかにギコチないかわかるはず・・・そうなのです。胸をひらいて、よい姿勢をとっていては思いっきり落ち込んだり、悲しんだりするのはとてもムズカシイこと・・・。 このように「姿勢」は「感情」に直接関係し、その与える影響は私たちが考えているよりはるかに強いのです。よって、精神を安定させ、心身を元気にするためにはその「逆」をしてみること。背筋をスッと伸ばし、胸をひらいて前を見ましょう。ね?少しはシャキッとしてきませんか? 「病(やまい)は気から」の言葉のように気から病んでしまう方も多い現代。元気がない時、気力が湧かない時、ストレスで情けない姿勢になっている時、お腹の底から気合いを入れて大声で『バンザーイ!』と叫んでみましょう。 控えめで、おとなしい日本人にとって大きな声を出すのは、最初抵抗を感じるかもしれませんが、ナニ!慣れてしまえば大丈夫。まずは今年のカウントダウンの際、この記事を説明し、周りの人を巻きこんで(?!)みんなで「バンザイ三唱」で新年を迎えることから始めるのも悪くないかも・・・。 <バンザイを唱えるためには・・・> (1)姿勢がよくないとできない★両手を上にあげることで全身がのびのびと伸ばされ、背筋も胸も、真っ直ぐに伸び、ひらかれる。 →縮まって圧迫されていた内臓も伸ばされ新鮮な血液が流れてエネルギーが体の中心から全身に充電される。★胸を大きくひらくことで、心もひらく。 →胸が閉じていると心までも閉じてしまうとヨガではいいます。そして、心臓・肺もひらいて深い呼吸ができる。 →心が安定する。(2)お腹から声を出すことで腹に力が入り、心身の ”中心” を充実させる。★お腹から声を出すと呼吸が深く安定する。 →ヨガの「腹式呼吸」が自然にできる。ストレス解消の効果大!★大きな声を出すために腹と腰に力が充実する。 →体の中心、要(かなめ)に力が充実することで、心身共に非常に安定する。エネルギーが満ちる。 →腰に力がこもることで、精神力を強化しつまらないことでクヨクヨしなくなる。 →「声が大きな方は元気」といいます。元気でない方はお腹からしっかり声を出す訓練をしましょう。以上のように力に満ちた心身をつくります。 以上のことをしっかり心に留め、「バンザイ」を3回も唱えれば、丸末弟t体も伸び、体の中心にエネルギーが充電され気分も晴れ晴れ、気力も充実するはず! <そして最後に私からのメッセージ・・・> 新年に向かい皆様の健康と幸せを願いつつ、両手をあげ、大きな声で!!! 「メリークリスマス そして ハッピー・ニュー・イヤー!」 ≪和子からの一言≫ 今回の記事は2000年に掲載されたものですが、世界事情は難しい問題を抱えたまま。毎日の暗いニュースや気分を吹き飛ばして、ぜひだまされたと思ってお試しください!  ヨガでは口角を上げると体の中の左右のエネルギー・チャンネル(スシュムナ・ナディ)が開き、心も開きます。ぜひ口角を上げて(作り笑顔でもOK!にっこりスマイル!)大きな声でバンザイを唱えてみてください。 今年もいろいろありましたが、一年の有終の美を飾る大切な毎日をお過ごしください。皆様のご健康と多幸をお祈りしています!合掌 ~KazukoヨガではMomokoヨガを継承し、シニアや初心者の方でもできるオールレベルのヨガを行っています~プライベートレッスンなどはお気軽にお問合せください。ヨガ・インストラクター 池側和子778-891-9917/kaz_ikegawa@hotmail.comwww.kazukoyoga.com

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第94回 〜始めよければ 終わりよし〜

 人相があるように胃腸にも胃相、腸相があるそう。(アルバート・アインシュタイン医科大教授・新谷弘実氏談)長寿で元気な方の胃相・腸相はまことに「美しい」そうです。 直接体をつくり、細胞の栄養となる食べ物。それを消化し吸収していく器官の胃・腸・消化器が健康なら体は健康であるはず。 <美しい胃相、腸相にしてガッチリエネルギーを体に吸収するためには・・・>  もちろん食生活は大切。「You are what you eat(何を食べるかであなたの健康状態は決まってくる)」という言葉通り、穀類(しかもあまり精製していないもの)や豆、野菜中心に動物性のものを少々・・・という食生活を1年ほど続けると胃相、腸相はみちがえるほどよくなるとのこと。(新谷氏) <加えてよく噛むこと>  消化器は口から肛門までの長いチューブ。その間に胃や腸があるのですが、その入口(口内)でとにかくいっぱい噛んでしまうこと。噛むことで消化酵素や殺菌作用のある 「だ液」 がいっぱい出て、入口でかなりグチャグチャ状態まで食べ物を消化できます。そうすれば胃腸への負担はうんと軽くなる。 <初めよければ 終わりよし>  はじめにしっかり消化済みなら最後(肛門)からも 「よい便り」(大便)が元気よく出てきてくれることでしょう。快食、快便は健康のポイントです。「よくよく噛む」(それも右左に偏らず、バランスよく噛むこと!=>バランスを重んじるヨガではこれは非常に大切なこと)で「始めよければ終わりよし」のすてきな消化器になること、人もうらやむ胃相、腸相になること必至です。 加えて、胃を強くするヨガのポーズをすれば完璧!私は次のポーズで小さい時からの私のウィークポイント「胃」を丈夫にできました。人体実験済みのポーズです。 <胃を頑丈にするポーズ> 【スタートポジション】 (1)図のように背を丸め、手をひざにおいて上体を支える。 (2)脚は腰幅くらいに開いて、重心を安定させる。 ※あご、肩の力は抜くこと。 【ポーズ】 (1)深く鼻から吐く息で腰をグッとしめていく。腹筋を使っておヘソをまず背骨ギリギリに近づけ、肋骨の内へ引きあげる要領。※肩は上げない。 (2)(鼻から)息を吸いながらお腹をゆるめる(自然に新鮮な空気が体中に満ちる。)この時おヘソは背骨から離れる要領。 (3)(1)〜(2)を数回繰り返す。 【効果】・胃腸をマッサージする。・胃腸の筋肉自体を頑丈にする。(腹筋=胃腸の筋肉。このポーズは腹筋を鍛える効果大。)・自律神経を整え、胃腸の働きを正常にする。(しっかり吐く<=>吸うことで自律神経を刺激し、正常にする。自律神経は胃腸のコントロールなどをしている神経)  毎朝、空腹時にコップ半分ほどのミネラルウォーター(人肌の温度で、塩を少々入れてもよし)を飲んで行うと効果的。胃腸を洗うイメージで。続けることで毎日素晴らしきよい便りが届くはず! ≪和子からの一言≫ 私も長年このポーズを朝一番にずっと行っています。ヨガではこのポーズをクレンズ(浄化)の一つとして行います。やり方がわからないときは無理せず、慣れるまで最初は軽く、力まないようにしましょう。そして正しいやり方を長年ヨガを行っている先生から直接教えてもらうことをお勧めします。 健康維持には体の中に入れるもの(食べ物)はとっても重要ですが、同様に(いやそれ以上に?)排泄はとても大切です。ぜひチャレンジしてみてください。 合掌

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第93回 〜水からパワーを得る!〜

 私は入浴の際、お風呂よりシャワーで済ませることが多いのですが、やはりお風呂に入ると疲れが完全にとれていくようで気持ちがいい。 <人はお風呂に入ると素直になれる>とか・・・。 お風呂に入ると気持ちがゆるゆるほぐれ、リラックスするのでしょうか?その時抱えている感情がフツフツと噴き出してくるのだそう。 そういえば、私も大学受験に失敗した時(古い話だ!)次に頑張ればいいもん、と思っていたのにもかかわらず、その夜お風呂に入った途端、悲しみがドッと押し寄せオンオン(一人で)泣いてしまったことを思い出します。しかし、お風呂の効用はそんなことも「水に流せる」ということ。その時もお湯から上がった時にはまさしく「水に流した」ようにスッキリ、サッパリしておりました。 <人は自らを癒す力を持って生まれてきている>とは、ヨガ哲学としていつもお伝えしていること。 笑いたい時は 思いっきり笑う。泣きたい時は 思いっきり泣く。怒りたい時は 思いっきり怒る。  それは一つの心のヒーリング・システムでもあるのです。が、人生結構フクザツで、「忍」の一字で耐えねばならぬこともままあります。泣きたい時にも泣けず、怒りたい時にも怒りを隠して微笑まねばならぬ時も、あろうというもの。そして抑え込んだ様々な感情は溜まりに溜まり「ストレス」の名のもとに体のヒーリング・パワーを低下させるのです。  「あーあ、疲れたな」とじみじみ思う時、ゆったりとお風呂に入ってみましょう。心のおもむくまま、一人でおもいっきり泣いてもよし、怒ってもよし、もちろん大いに笑ってもよし・・・そしてストレスを水に流せば癒しの力が増し、エネルギーが自然に充電されていくはずです。 <中国の陰陽五行説によれば> 女性は自然界のものからエネルギーを得ることができるということ。例えば、木や石(よってジュエリーを身につけたくなるのも自然の摂理・・・かな)そして『水』もパワーを与えてくれるもののひとつ。  女性たちよ!これからはもっとお風呂に入って素直になろう! ストレスを洗い流して、エネルギーを充電しようではありませんか。 <お風呂のヒーリング・パワーを利用しましょう> ついでにヨガからひと言付け加えれば、お風呂で様々なストレスを水に流した後、ゆったりとした腹式呼吸をしながら人生を( 「生きること」 を)楽観視してみましょう。「次にある大切な仕事も必ずうまくいく」「明日も必ず楽しいことが待っている」と強くイメージすれば必ずそうなる! 生きていることに感謝!(合掌) ≪和子からの一言≫ 今回のお風呂の話は女性にフォーカスされていましたが、男性も然り!お風呂は私たちの体を温めてくれるだけでなく、ストレスやその日の疲れを流してくれる素晴らしい習慣です。浄化を試みたいなら天然の海塩をひとすくい、リラックスを試みたいならエプソムソルト(かマグネシウム・フレイク)、またはお好みのエッセンシャルオイルを数滴入れるなど工夫をするとさらに効果的!  シャワーで済ませている人はぜひ実感してみて下さい!私はカナダでも毎日お風呂に入っています!言葉通り1日の疲れを癒してくれ、ポカポカの体が持続してぐっすり眠れます。 合掌

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第92回〜大宇宙と一体になる・そして感謝!〜

 ここに大きな砂山があります。それをスコップ一本で4メートル離れた空き地に移動するよう命じられたとします。移し終えた直後、再びその山を元の場所に戻すよう言われ、これを何回も繰り返すと、しまいに人間は発狂寸前まで滅入ってしまうとか・・・(これは実際行われている(いた)拷問法のひとつ) かように人間は自分のしている行為に何らかの意義がないと根本的に耐えられない・・・という証明です。よって趣味のないお父さんがリタイア後、うつ的になったり、忘れっぽくなったりするのもうなずける話。 人生を生き抜くにあたり、「きちっと」目的を持って生きるのはとても大切なこと。それでこそ生きる活力も底力も湧くというものです。 そして「ヨガ」をする際も同様、「きちっと」目的意識をおいて行っていただきたい。ヨガのポーズ中はポーズをすることが目的であり、夕食のメニューを考えたり、明日の仕事の心配をする時間ではないのであります。 そうして、きちっと『今』に集中することは「今を生きる」修行にもなっていくはず・・・。そうすれば体は(心は)シャープに磨かれる。  「本当に善く変わる!!!」  これはもうものすごい勢いで変わってくるものです。 ヨガで大切にしている「息」ひとつとってみても「何で息をしているのか?」「何の目的で呼吸をするのか?」をきちっと意識すれば全く変わる!  ただの空気がギュッと凝縮されて心と体の栄養になっていくのです。 <そこでこんなポーズを目的意識をおいて行ってみよう> 【目的】 腕を大きく動かし、胸を開くことで、肺が拡がり深い呼吸ができる。 自然界の大きないとなみにより創られた新鮮な酸素=私たちのエネルギー源が私たちの体細胞すみずみまで行き渡り、元気を充電する。 私たちは一人で生きられるわけではない。この大自然に抱かれ、生かされている。自然に感謝!大宇宙に感謝! という目的意識を「きちっと」もって大きくゆったりと呼吸を整えてみましょう。心も体も充実し、喜ぶ声が聞こえてくるはず。 <スタートポジション> 1)楽な姿勢(正座でもイスに座っても可)で座る。 2)両腕を楽に床につき、お腹から息を吐ききる。 ※ヨガの呼吸は「吐いて吐いて吐ききる」ことが大切。そうすればあとは自然に深く吸える。 <空へ向かって木が伸びるように腕を上げ 合掌> 3)吸う息で手のひらをスコップのように天に向け、腕を上げ合掌する。 ※下半身は木の根っこのように大地に安定していること。 <そして自然界のエネルギーをいただいたことに感謝!> 4)吐く息で合掌した手を胸の前へ下ろし、頭は首から前へ倒す。両肩も下げてリラックス。  この一連のポーズを少なくとも10回は続けてみて下さい。驚くほど心身にエネルギーが満ち満ちるのが頭より先に心身が理解してくれるはず! ≪和子からの一言≫ 全ての動き、呼吸に「きちっと」意識を向けて、どれだけ私たちは生活しているでしょうか?とても耳の痛いお話です。近年『マインドフルネス』という言葉もよく使われるようになったように、普段何気なく、意識もおかずに「オートパイロット」でただ生きている日常を見直し、お茶を淹れる時間だけでも、ヨガをしている時間だけでも、一つ一つの呼吸、動作、周囲の音、匂い、などに目を向けてみませんか?今回の動きはそのまず第一歩!ぜひ意識を向けて変化を感じてみて下さい。 合掌

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第91回〜夏こそゴロゴロ・バタバタ・バタン・バタン〜

 「夏バテ」という言葉を使うほどでもないバンクーバーですが、暑い時はやはり暑い!冷たい飲み物をとりすぎたり、体を冷やすような食事や生活をしていませんか?(特に、南国でできるような果物は体を冷やします)。 冬は「冷え」に注意していても、暑い夏は「冷え」に対して無防備。この夏の「冷え」は秋、そして冬になって心身に悪影響を及ぼす大きな原因になるのをご存知でしょうか? <夏こそ「冷え」に注意すべき時!> 暑いといって体を冷やす生活や食事をしていると、この「冷え」が体の芯に残り、秋から冬にかけてこんなふうに現れます。→だるさ・むくみ・腰痛・胃腸の冷えから内臓全般の弱化。そこから起こる心身の抵抗力の弱り・バランスの崩れ・そして「気」の流れも低下して、元気のない心と体になっていく・・・ よって夏こそ常に体を冷やさない工夫をし、特に冷えやすい足、腰の血液循環をよい状態に保つべき。ということで、今回は足腰の血行をよくするひと工夫の紹介です。 どんなにズボラな方でもできる、カンタンな動きですのでぜひ実行してみて下さい。 <足・腰ほぐしで血行をよくする> 1)脚を投げ出して坐り、足首をゴロゴロ左右に倒す。股関節から動く要領。 →足首が固いとひざも腰も固くなる。足首をゆるめるとひざも股関節も腰もゆるみ、血液が流れやすくなる。 2)ひざを打ちつけるようにバタバタさせる。 →図のように太もも・ひざの真後ろ・ふくらはぎに脚の血行をよくするツボあり。ここを打ちつける要領で。(簡単な自己指圧!) <ツボ>【殷門(いんもん)】太ももの後ろ中央・・・足が重くだるい時に【委中(いちゅう)】ひざの真後ろ・・・腰痛・下半身のむくみに【承山(しょうざん)】ふくらはぎ筋と腱の境あたり・・・足の疲れに 3)脚を腰幅の2倍ほど開き、ひざをたて、両ひざを左右へバタン・バタンと倒す。 →これも図のようにツボを刺激できる。股関節をゆるめ、腰回りの血行をよくする。股関節が充分に柔軟な方は左右の床に脚を打ちつける要領で。 ※硬い方は無理せず、できるところまででOK。 <ツボ>【三里(さんり)】ひざの外側のグリグリした骨より指3本下・・・その昔、脚で旅をする旅人が疲れて歩けなくなった時、押すとあと 「三里」 歩けたといわれるツボ。足のだるさ・むくみがスーッと取れ、健脚をつくる。全身の養生に。 どれも超カンタンな動きですが、ただボーッとして行うのではなく「脚・腰の血行がよくなっているんだ!」「あったかい血液が今、下半身に流れていくんだ!そして全身によい血液が巡っているんだ!」と強く意識しイメージしながら行うことで効果がグンと違ってきます。 また「ツボ」も意識して行いましょう。 これで元気に夏を乗り切り、秋・冬への体力、気力の充電となりますように! <おまけの話> 体を冷やしてしまった時は、塩浴を!かのクレオパトラも楊貴妃も塩を入れて入浴していたとのこと。塩(自然塩)にはミネラルが含まれていて入浴後も体温を維持する効果大。血行をよくすることで 「美」 も保てるというオマケ付きです! ≪和子からの一言≫ 今回取り上げた脚は「第二の心臓」とも言われるように、大切な部分。とても重要なツボがたくさんあるだけでなく、下半身の血行をよくしてくれるポンプの役割をします。これらの動きによって自然にツボが刺激され、血行がよくなります。いつも足が冷たい人はぜひ年中行ってみて下さい。特に冷房の中で1日過ごさなくてはいけない方は体の冷えに要注意です! 合掌

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第90回〜バランスのとれたネコ〜

 日常で私たちは自分の体のバランスが狂っているなどとは全く思わず生活しています。が、例えばズボンの丈をつめる時に左右の足の長さに差があるとか、上着のそで丈から左右の腕の長さが違うなど、その差に気づかされる時もあるはず。ただその時は「アレ?」と思うだけで、その差=体の狂いが体のバランスを常にくずし続け、ひいてはそれが体の痛みや病気につながる・・・とは気づかないでしょう。 このコラムでいつも申し上げているように、この 「バランスのくずれ」 に注目し、知らないうちに不調をつくってしまう 「体の狂い・歪み」 を整えよう、とするのが「ヨガ」の目的のひとつ。体のバランスが整えば心のバランスも整い、心身共に平和で健やかになる!バランスが整うことで体が強くなれば心も強くなり、多少のストレスに負けない精神が培われる!・・・これは「ヨガ」の重要な観点です。  今回は自らの体のバランスを見つめながら行ってほしいポーズの紹介です。 <ネコのポーズ:バランスを整えるネコ> スタート・ポジション 1) 図のように四つんばいになる。手は肩の真下で、肩はリラックス。ひざは腰巾にひらいて骨盤の下。つま先はたてる。 ※腹筋がないと腰が反り、肩に力が入りやすいので気をつけて。 ポーズ 2)少し前方の一点を見つめ、バランスを定める。 3)ひと呼吸、吸ってから吐く息で体の緊張をゆるめつつ、右腕と左脚を図のように上げていく。 ※体は一直線になるように腕、脚を上げすぎないこと!※手先・足先をうーんと遠くに伸ばす意識で行うとよい。 4)呼吸は自然に深く続け、20〜30秒ポーズを保ち、ゆっくり手足を戻しスタート・ポジション(1)に戻る。(反対側も同様に行う) その後のお休みのポーズ ・立てていたつま先を伸ばし、図のようにお尻をかかとにおとして額を床につき、背筋や肩・腕まわりの緊張をゆるめてお休みするとよいでしょう。 ※ゆったり吐く息で上体の力をダラリとゆるめる要領。 【効果】体全体がポーズを保つために 「バランスをとろう、とろう」 と働くので★体の左右の筋肉バランスが整い★右脳・左脳のバランスも整って★体の中心を通る自律神経のバランスを整え、正常にする。→心身の健康維持力を強くする。  体のゆがみのある方ほど、最初はポーズ中にフラフラして大変ですが、ほとんどの人に体のゆがみ・狂いがあるのが普通。フラフラする分、バランスを整えることが必要なんだと思い、これらの動きを行ってみて下さい。 フラフラしなくなった頃には偏頭痛がなくなっていた/肩こり・腰痛がよくなってきた/体が軽くなった/疲れにくくなった・・・等の効果を「体」が教えてくれるはずです。 ≪和子からの一言≫ 今回のキーワードは「自らの体のバランスを見つめながら行ってほしい」という言葉です。ヨガのポーズをする時にじっくりとポーズを行っている際の自分の体を観察してみて下さい。思った以上に左右の変化があったり、バランスのとりにくい体の方向があるものです。日常の癖や姿勢で体に歪みが生じ、それが原因で肩こり、腰痛、ひざの痛みなどが発症することがしばしば。最初はフラフラしたりということもありますが、ヨガを続けていくうちにバランスが取れてくるようになります。自分の体をしっかりと知る上でもぜひヨガを体験してみて下さいね。 合掌

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第89回〜Open your ハート!〜

 バンクーバーにもやっと太陽の恵みがしみじみありがたい、と感じられる季節がめぐってきました。 日常で、いつでも時間に追われイライラしている方も、ストレスが溜まってウツウツしている方も、こんな時こそ「お陽さま」に向かって体を伸ばし胸を大きくひらいてみましょう。太陽のエネルギーが胸にドーンととびこんでくるはずです! <胸をひらく意義> 以前から何度もお話ししていることですが、人間の 「姿勢」と「感情」 は直結した関係にあります。感情が落ち込めば姿勢はくずれ、背は丸まり、胸はつぶされてしまう・・・まるで胸の前で大きなストレスを大事に抱きかかえているかのよう・・・。 「ヨガ」では胸にはエネルギーの貯蔵庫である 「チャクラ」 があるといいます。もしいつも胸が閉じっぱなしの姿勢をしていれば、この 「ハートのチャクラ」も閉じっぱなし。エネルギー(気)の流れも、ここでストップして、心ばかりでなく体も閉じてしまい、解放された自由な心と体とは永遠にさよなら・・・の状態。 また「ヨガ」によるとこの 「ハートのチャクラ」 は 「人間関係」 と関連するチャクラであると言います。 もし対人関係にいつも問題が生じ、うまくいかない・・・というあなた。一度自らの姿勢をチェックしてみて下さい。だいたい常に 「ハートのチャクラ」 を押しつぶした姿勢をしているはず。 <そこで Open your ハート!> こうして 「ハートのチャクラ」が開かれればあなたの抱えている対人関係からのストレスも解放されていくこと受け合い!姿勢を正し、胸を開けば、心も開かれ、知らず知らずのうちに、幸せもあなたの開かれた胸に向かってドーンととびこんでくることでしょう! < 「ハートのチャクラ」を開くヨガのポーズ > 【スタート】 1)図のように大きく足を開いて立ち、両つま先を右に向ける。 2)ただじ、骨盤は右向きにならず、正面。(つまりおヘソは正面に向いている) 【完成ポーズ】 3)吸う息から両手を真横に開き、白域で右ひざを曲げる。(左膝はまっすぐ)※この時、曲げ過ぎに注意。右膝はつま先より外に出ないで、右かかとの上に位置すること。肩の力は抜く。4)顔は右を向く。そして重要ポイント!!!5)左肩を後ろに引き、胸を開く。※両肩と奥歯の力は抜き(<ー大切!)深い呼吸で20秒程ポーズを保つ。重心は真ん中。 【もどる時】6)左ひざをゆっくり伸ばし、顔を正面にもどして両腕を下げる。(反対側も同様に)効果は?  →もちろん ”ハートのチャクラ” が開かれ心も体も開かれる。      →加えて下肢の筋力を鍛え老化防止。バリエーション →脚をつけずただ立ったまま(又は腰かけたまま)「上体だけ」のポーズでも可。❤️開いた胸にたくさんの幸せが向かってくるーと信じてトライして下さい。 ≪和子からの一言≫ ヨガでは心と体は密接に関係していると考えます。(同一のもの!)姿勢が悪く猫背で胸が開いていないとうつ病や暗い気持ちになる(姿勢が心に影響)。同様に不安なとき、落ち込んでいるときは不思議と背中は丸まり、前のめりの姿勢になっています(心が姿勢に影響)。ということは、ヨガなどで姿勢を改善し、胸を開くポーズ(体・姿勢からアプローチ)を多く取り入れていくと、心が安定し、明るい気持ちになりやすい、ということです。ハート・オープンのポーズは本当の意味で心を開き、明るい気持ちにさせて向上心が高まっていくのです。 太陽をいっぱい浴びることのできる夏だけでなく、体からのアプローチで、暗く雨の続く冬も、ぜひ姿勢から改善していってみて下さい。「ヨガは実践!」です。 合掌

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第88回 〜耳によい、耳よりなお話〜

 外に出れば車の騒音、雑踏、内に入れば一日中聞こえる音楽、テレビ・・・。しんと静かな場所に行くと逆に戸惑ってしまうほど、私たちは音の洪水の中に生きています。 現代は五感のうちの視覚と聴覚が特に酷使される時代だと言われますが、日々疲れ気味の「耳」に安らぎを与えるのにとてもよいのがヨガの 「コブラ」 のポーズ。 <「耳」は「腎臓」に関連する> ヨガでは体の部分を独立して考えず、必ず全体として考え、体全体が関連しあい、バランスを取り合っていると見ますが、そこで言われているのが「耳」と「腎」の関連。つまり「耳」が疲れてくれば「腎」も疲れぎみになりやすく、「耳」に不調がある時は「腎」への刺激が効果的であるということ。 また「耳」は平衡感覚(バランス)とも関連するので「耳」の疲労はバランス感覚を鈍らせ、めまいの原因にもなるわけです。 そこで 「コブラ」 !「腎臓」を強くし、活性化するツボ(図1)を刺激することでオーバーワークの「耳」を癒してくれるポーズです。 <コブラのポーズ> 【スタートポジション】 ・うつ伏せに寝、手は肩の下、ひじは体に寄せ、額は床に着く。 ・足は親指の先を軽くタッチし、かかとは力を抜いて外側にたおれるにまかせ、足首、腰の力を抜く。 【ステップ1】 1)ゆっくり吸う息であごを前方にずらして(あごは床に着いたまま)できるだけ前方へと伸ばす。 2)こうすると腰と腰椎がグーンと伸ばされる。→腰周りの血行をよくする。 【ステップ2】 3)次の吸う息であごから起きる要領で頭を上げる。 ※この時、ひじは開かず、体に寄せ、肩は下げる。 →体が硬かったり、筋力が弱いと肩に力が入り、耳の方に持ち上がってくるので注意! 【完成ポーズ】 4)頭は背中に押す要領で手で床を押し、できる所まで体を反らせる。 ※ひじは曲げたままをキープ。 5)口はポカンと開くが鼻から息を続けること。 6)数呼吸ポーズを保ったら、ゆっくり「ステップ2」→「ステップ1」→「スタートポジション」と戻る。  耳の聞こえが悪い/聴覚が衰えている/聴覚を酷使する仕事(騒音の中で働いている等)/耳鳴りがする/めまいがひどい/バランス感覚が悪い・・・等の方、ぜひ一度 「コブラ」 に挑戦してみましょう。 日常では前かがみの姿勢をとっていることがほとんどですが、体を反ることで体のこわばりも取れ、気持ちのよいポーズです。 ポーズ中は「腎兪(じんゆ)」に集中して行うべし。ポーズ後にはスコーンと耳の聞こえがよくなるはず! ≪和子からの一言≫ 前回に引き続き、ヨガをしている人なら一度はコブラのポーズを行ったこともあるかと思います。腎臓のツボを刺激し、同時に胸の前もしっかりと伸ばすことのでき、普段前に丸まった背骨をしっかり反ることで背骨の若返り、健康を保つことが可能です。ヘルニアなどのある人は行わないか、代わりにスフィンクスのポーズで腰椎あたりを気持ちよく伸ばす程度にしてください。無理は禁物です!合掌

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第87回 〜笑うイヌ〜 

 ネコ、バッタ、魚、ライオン、コブラ、イヌ、ハト、三日月、山、木・・・この関係は一体な〜んだ?  これらはすべて、ヨガのポーズについた名前です。  その昔、ヨガを創造してきた人々は、自然に抱かれて生き、その偉大さを肌で感じ、熟知していた分、自然界の中でたくましく生きる動物、畏敬を感じる山や木の生命力をなんとかして己にとりこみたいと思ったのでしょうか?ヨガのポーズには動物や自然界にあるものの名前がとても多いのです。  その中で、私が好きなのは、自らすくっとそびえたつ山や木のように感じられる 「山」や「木」のポーズ。柔軟でしなやかな動きでは動物の中で一番の「ネコ」 のポーズ。そして最近、私のヨガ・クラスの中で多く登場する 「イヌ」 のポーズ。   「イヌ」 のポーズは、日頃縮もう縮もうとする腰から足にかけてをしっかり伸ばし、下肢を鍛え強くする優れたポーズでもあります。  「三寒四温」なんて言葉通り気温・天候がコロコロ変わり、体調も崩れやすく、血液循環も悪くなりやすいこの時期---特に下半身の冷えやすい方、つりやすい方、むくみやすい方、腰痛に悩む方にぜひ行ってほしいポーズです。 <イヌのポーズ> ースタート・ポジションー 1)四つんばいになる。 2)手は吸盤のように指をパッと開き、手のひら全体を床につける。(※手首だけで支えないこと) 3)ひざは腰幅に開き腰の下、足のつま先は立てる。 -ネクスト・ステップ- 1)腹筋をキュッとしめ、腹筋の力を使って(※非常に大切なポイント!)「吸う息」で一気にお尻をもち上げる。 2)カカトは上げた状態でひざをできるだけしっかり伸ばす。 →メリメリと音をたてて下肢が伸びるのを感じるはず! -完成ポーズ- 1)吐く息を使いゆっくりカカトを床に押していく。 →もしカカトを床につけるとひざが曲がる場合はカカトは浮かしたままで可。 2)息をゆったり続けつつ上半身全体を吐く息で下肢にもう少し近づけて、シャープな 「逆V字」 を保つ。(四呼吸以上) ・両手に体重がかかるのではなく、足のほうにかかる要領。 ・奥歯・頭・肩の力は抜く。 ・尾てい骨を腹筋で、天に押し上げる気持ちでお腹を引き上げると楽です。 <ポーズの効果>  はじめは、すでに硬くなりつつある筋肉を伸ばし、ゆるんでいる腕・腹で体を支えなくてはならないので、きついポーズです。が、歯をくいしばって息も絶え絶えにならぬよう「スマイル!」がポイントです。慣れてくるととっても気持ちよいリラクゼーション・ポーズになってくるでしょう! ≪和子からの一言≫  ヨガをしている人なら一度はイヌのポーズを行ったこともあるかと思います。そんなとてもポピュラーなポーズですが、実は意外に難しいポーズです。腹部を引き締め、手首に重心が全て入ってしまわないようしっかりと足、腰、腹筋で支えましょう。そして注意点はひじを外へ開かないこと。肩がすくんで首が縮んだり力んでしまうと、せっかくのポーズが体の各部位に痛みを感じる結果になってしまいます。まずは両膝を曲げてもいいので、しっかりとお腹の筋肉を使ってお尻を高く持ち上げてみてください。 合掌

池側和子(いけがわ・かずこ)コラム カバーイメージ

第86回 〜春の陽だまりの中で〜

 やっと春らしいひと時が一日のうち少しずつでも感じられるようになったこの頃。冬の雨続きの毎日で心と体にカビが生えてしまった方も、春の陽ざしを感じればなんとなく、体を動かしてみたくなるのではないでしょうか?  ウツウツと元気のない方、ぜひ扉を開け、外に出て思いっきり深呼吸をしてみましょう。そして春の力強い息吹を全身に吸収するつもりで体をう〜んと伸ばしてみてください。 <自律神経を整え、元気を取り戻す:伸びのポーズ>  本来、体(心も同じですが)は緊張もできるし、緩むこともできるのが自然の姿。しかし、バンクーバーの冬は長く、人生も結構シンドイ・・・。となると、心も体も緊張しっぱなしだったり、逆に緩みっぱなしで気が抜けた状態だったりします。そこで、心身のバランスが崩れ気味な方にお勧めしたいポーズがこれです。  背柱をうんと伸ばすことで背骨に通る「自律神経」を刺激し、筋肉を使い、伸ばすことで体に「緊張」<ー>「弛緩(しかん)」を体験させ、バランスを回復させる効果があります。 <スタート・ポジション> 1)まず右にお尻を落とし、横座りになる。 2)右手をお尻のすぐ後ろの床につき、左手は楽にする。(次に左手と左足を伸ばすことを意識する。) 3)「腹筋」を意識し(※大切なポイント)「吸う息」 でお尻をもち上げると同時に、左腕と左足を伸ばす。(上の図を参照)・左腕は左耳の近くで、ひじはで切るだけ伸ばし、手のひらは床に向ける。・左足は右ひざの前方へ伸ばす。(横ではなく、前方へと意識する)・左手先から左足先まで一直線になる要領で伸ばす。 4)ゆったりとした呼吸で四呼吸ほどポーズを保つ。 冬中ずっと縮まって、カビの生えていた体が気持ちよく伸ばされ、エネルギーが行き渡るのを感じること。(※とても大切なポイント!) 5)ゆっくりと吐く息を使って(1)の最初のポジションまで戻る。 左腕を下げつつ、左足を曲げ、お尻をゆっくりと下せば戻れます。なにしろ、反って天地が逆転したような姿勢から戻るのですから、パニックにならぬよう、「左ひざ、左ひざ」と思い、左ひざを曲げれば自然に戻れます。(反対側も同様に行う) <ポーズの効果はこんなにある!!!>  じっとポーズを眺めているだけでなく、一度ポーズを体験してみましょう。五感全てをシャープにし、体の声を聞いてみよう。  体が「気持ちいい」と感じたら心も気持ちいい! ≪和子からの一言≫ 春は木々の芽やつぼみが一斉に膨らみ、新芽が伸び始め、花が咲き、外へ外へという自然なエネルギーが働きます。自然界にいる私たちの心も体ものびのびと外へ向く放出のエネルギーが働きます。体の筋肉、関節すべてに意識をむけ、大きく伸びをしてみたり、肺(肋骨全体)を大きく四方八方に膨らまして自然の息吹を取り入れるイメージをして深く呼吸を繰り返して細胞が新しく芽吹く新芽のように活性化していくのを感じてみてください。きっと暗く寒い冬の体とは違った感覚を感じることができることでしょう。  自然と同様、私たちの体も季節に合わせて変化しているのをお忘れなく! 合掌

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