「月経カップ」とは、医療用シリコン製などで作られたカップを膣内に挿入し、経血を溜める生理用品のこと。私にその存在を教えてくれたのは、友人だった。タンポンさえ使ったことのない私が、月経カップなんて使えるのだろうかと恐る恐る試してはや2年。今では快適すぎて、憂鬱だった生理が楽しいものに!そんな私の体験談をここに紹介する。
ディーバカップを購入
月経カップにはさまざまな種類があるが、比較的メジャーな「ディーバカップ」を購入した。ロンドンドラッグズ、ショッパーズ・ドラッグマートなどの一般的なドラッグストアの生理用品コーナーに置いてある。値段は2021年当時、40ドルくらいだったと思う。使い方は、ディーバカップの公式ホームページに丁寧に書いてあり、参考にしたが、やりやすい体勢や装着方法は人によって違うのだなと後になって知る。
いざ、装着
実際に箱から月経カップを取り出したときは、結構大きいぞ、これを本当に膣に挿入できるの?と不安になった。が、挿入自体はとてもスムーズ。公式ホームページに書いてあるやり方通りに、楽な姿勢で月経カップを膣に押し込むだけだ。一旦入ってしまえば、違和感は全くなく驚くほど。当時、月経カップを入れるのにかかった時間は約1分だった。
カップ装着時
異物感も違和感も全くないまま、いつも通りに自宅で数時間過ごした。最初は漏れが心配だったため、ナプキン(私の場合は布ナプキン)をつけていたけれど、漏れても少し布ナプキンに経血が付く程度。そして経血が出てくるあの嫌な感覚がまったくなく、排尿もカップをつけたままできるので、生理中であることを忘れてしまう。なんて快適なんだ!!と感動していたのも数時間。カップを取り出すのがとても大変!
カップを取り出す
生理2日目で経血量が多いことはわかっていたので、4時間くらいで取り出そうと公式ホームページに書いてある通りにやったのだが、指でカップが探せない!これは焦る。指を膣の中にかなり入れて、四苦八苦してようやくつまみ出したが、汗はかくし、変な動きをしたせいで腰は痛くなるし、本当に大変だった。
しかし、取り出したカップには経血がきちんと入っていた!経血は便器に流してカップは洗面所の流しで水洗いし、それをまた挿入した。
最初、カップを取り出すのにかかった時間は20分。その後も取り出しのコツをなかなかつかめず、使用を諦めそうになった。慣れないうちは、カップの場所をすぐに見つけられず焦ってしまい、それを探そうとさらに焦って悪循環に陥ってしまう。が、友人から慣れだよと聞いていたので、そのまま頑張って使い続けてみた。何度も繰り返し使っているうちに、指の感覚でカップの場所がわかってきて、手早く取り出せるようになった。
使い始めて2年が経過した今
月経カップの使い方のコツは、ひたすら使って慣れることだ。生理周期3回目くらいから、取り出す際の手間もかからなくなってきて、今では挿入は20秒程度、取り出しは月経カップの洗浄も含めて1分くらいに。特に経血が多い1日目、2日目は、排便をするようにいきむと、月経カップがするっと下まで降りてくるので、それを掴むだけ。それ以外は、指を第一関節くらいまで膣に入れながら、やはりいきんでカップを取り出す。
また、最初のうちは挿入したカップが膣の中でうまく開かずに経血が少し漏れてしまうこともあったが、今では膣の中でカップを開く自分なりの方法を見つけたので、漏れることはなくなった。繰り返し月経カップを使っていくうちに、だんだんと自分の方法がわかってくるのだ。
月経カップのよい点
- ガードルなどのきつい下着でしめつけなくてよい
- 夜間の漏れを心配しなくてよい
- どろっとした気持ち悪い感覚がない
- 排尿、シャワーの際に、血が流れるのを気にしなくてよい
- カップを取り出した時に経血の量を見ることができる(変な達成感を感じられます)
月経カップの困った点
- きちんと使えるようになるまでに、何度も失敗、漏れを繰り返す(慣れです!)
- 着脱のたびに手を洗うので手荒れする場合がある(ひたすらハンドクリームを塗ります)
- 着脱のたびに月経カップを洗うので、個室に手洗い場がない公衆トイレでは使いづらい
最後に
6時間に1回カップを交換しているが、4日目からは8時間から10時間で交換。カップの種類によって最長装着時間が変わってくるが、ナプキンよりもずっと長く、しかもストレスなくつけられる。
月経カップを使って、毎月の生理が楽しみに。環境にもお財布にも優しいと言われている月経カップだが、何よりも私の心と体に優しい。今ではよっぽどのことがない限り、紙ナプキンを使う生活には戻りたくないと思う。合うか合わないかは個人差があるが、私の場合は、生理中の快適度ががらりと変わった。興味がある人は、ぜひお試しを!