7月8日、記者は、ノースバンクーバーの The Pipe Shop で行われた同人イベント「MiniComi」を訪れた。MiniComi は、アニメや漫画などに影響を受けた個人が自分で創作活動を行い、作品を頒布するというものだ。日本における「コミックマーケット」に似ている。今回のイベントは日本よりは規模が小さいものの、多くの作品のキャラクターの特徴を捉えた作品が並び、まるで創作の世界から飛び出してきたようなコスプレイヤーも参加していた。(取材 桜井禎人)
会場の外にも漂う熱気!
当日、記者はノースバンクーバーへ向かうためシーバスに乗ったが、船内は、祭りや試合に向かうかのような興奮や熱気をまとった人々であふれている。お気に入りの作品のグッズを身につけているので、一目でファンだとわかる。シーバスを降りてから会場に近づくと、キャラクターに扮した人々が集まって写真を撮り、ひとつの作品を作る、「合わせ」が盛んに行われていた。イベントの参加者同士でつながる空間が広がっているように思った。
自分の世界を作品を通して具体化
会場に入ってみると、外とはまた違った空間になっていた。まるでお祭りの出店のように、創作者オリジナルのポスターやポストカード、キーホルダーやシールなどの販売が行われていた。そうした作品は、彼らの頭の中の世界を具現化しているように感じられた。それぞれのブースから、作り手たちの作品に対する思いが伝わってくる。
年齢も性別も人種も関係ない
このイベントの参加者は、アニメや漫画が好きという共通点で結ばれており、年齢や性別、人種などは全くといっていいほど関係がない。中でも印象深かったのは、UBCなどの学生団体だ。自分たちがどのような活動をしているかを、動画を流しながら説明しつつ、おすすめ作品も教えてくれる。そんな彼らが、記者にはとても生き生きとして見えた。それは、ここにいる誰もにアニメや漫画などの「お気に入りの作品」があり、それを共有できる場所があるからだと思う。普段はなかなかできない話を深く掘り下げ、お互いに理解できる環境であるように感じた。
創意欲が高まる場所
このイベントは、人々が持つ嗜好がよく表れた空間であり、言葉を介すことなく視覚的にお互いを理解できる場所だと、記者には感じられた。訪れた人の感性を強く刺激し、また創作者も刺激される。アニメや漫画が好きな人、また創作意欲を高めたい人は、こうしたイベントの雰囲気を、一度、味わってみるのも良いだろう。