60周年を迎えた裏千家淡交会バンクーバー協会が10月7日、ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)内の新渡戸紀念庭園内の茶室『一望庵』で記念茶会を開催した。秋晴れに恵まれたこの日、丸山浩平在バンクーバー総領事・夫人、UBCボタニカルガーデン・アソシエートディレクターのタラ・モロー博士を主賓に行われた茶会には、裏千家ビクトリア協会の会員もお祝いにかけつけた。(取材 ルイーズ阿久沢)
1960年代、UBC内に新渡戸紀念庭園が完成した際に立てられた茶室は1990年代に傷みが激しくなり、当時の裏千家鵬雲斎千宗室家元(現・千玄室大宗匠)の好意により修復が始まった。1994年完成時には家元夫妻を迎えて記念茶会を開催したという。
茶席では境野章子(あやこ)先生が思い出を振り返りながら、大宗匠が4月に100歳になられたことから、床の間には大宗匠100寿記念の色紙『寿 福来る』が掲げられたと説明した。
紅葉が始まりかけた色とりどりの木々を見通せる茶室では、会員手作りの主菓子が振る舞われ、全4席、会員を中心に計46人が秋のお茶会を楽しんだ。
コロナ禍でこの3年間、思うような活動が出来なかったため、今回は内々のお茶会となったわけだが、本間真理会長は「60周年という節目を迎えるにあたり、とてもうれしく思います。今日という日を迎えることができたのは、家元のご支援、諸先生方の献身的なご指導と、会員の皆さまが一生懸命お稽古に励まれ、この地で日本文化である茶道を広げる努力をなさった賜物でもあります。お茶のお稽古を通して皆様とふれあい、相手を敬い、人間性を深め、豊かな日常を増やすことを目標に頑張っていきたいと思います」と話している。