彩月会から二人の名取
「お名取」とは、日本舞踊の家元に一定水準以上の技術や知識があると認められた者が一門の名前を名乗ることができる制度である。
この度、名古屋西川流師範の西川佳洋(松野洋子)さんが教える「西川流カナダ彩月会」より、西川洋香(リトンかおり)さんと西川洋雪(芦田有希子)さんの二人が名取となった。二人は4月1日にZOOMを通して「名取式」を行い、西川流の芸名を名乗ることとなった。
西川佳洋さんが、2011年から日系文化センター・博物館で日本舞踊を教える会として始めた彩月会だが、そこから名取が出るのは今回が初めて。カナダ全土を見ても初めてのことだ。二人の芸名の由来は、師匠の西川佳洋さんから洋の字を貰い、それぞれの本名、かおりと有希子(ゆきこ)を組み合わせ西川洋香と西川洋雪に決めたという。
西川佳洋先生は、「私としても、自分の教え子から二人も名取さんが出るとは思いもよらなかった。子供の頃から日本舞踊がただただ好きでカナダに来ても続けてきたが、このようにカナダの地で若手にバトンタッチのように日本舞踊をつなげることが出来てうれしいです」と喜びを語った。
西川洋香さんは、「名取になるには順番や正式な段取りがあり、簡単になれるものではないと知っていました。ましてや、海外から名取になるのは夢のようなものと思っていました。今後は、楽しく和気あいあいと西川流彩月会の踊りをみんなで楽しみ、彩月会のことを皆さんに知って頂ければと思っています」と今後の展望を語った。
西川洋雪さんは、「私は日本舞踊を始めて7年でまだまだ学ぶことがたくさんある中、今回先生に推薦していただき名取を取ることができました。今後はたくさんお稽古を重ねて師範の資格を取りたいと思っております」と目標を語った。
来月、8月16日(水)に西川佳洋先生主催で、西川洋香さん、西川洋雪さんの「名披露(なびろう)」が行われる。
彩月会は毎週水曜日の1時から3時に日系文化センター・博物館で稽古をしており、参加者を募集している。初心者でも、男女、国籍を問わず歓迎しているとのことだ。彩月会のウェブサイトから問い合わせできる。(取材 山脇大夢)
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