朝日輝く暖かい陽気の3月8日早朝、少年野球チーム「新朝日」がバンクーバー国際空港へ集合した。コロナ禍の規制のため日本遠征は4年ぶりで、選手やその家族、コーチたちからは活気溢れる空気が流れていた。
アシスタントコーチを務める福村十三郎(ふくむら・とみお)さんは「コビッド(コロナ)で2021年は日本へ行けず残念でしたが、今回は遠征できなかった選手も参加し、みんなでエンジョイできるようにセッティングを整えました。今まで(の遠征で)は『勝ちに行きたい』という気持ちが強かったのですが、今回の目的は選手たちに色々と経験し勉強してもらって、日本の選手と深い交流を持ってもらうことです。同じチームで一緒に数日間辛い練習を味わい、良い仲間を作ってほしいと思っています」と話す。今は20代になったOBたちも選手たちに向けて「人生最初で最後かもしれないこのチャンス、何でもトライして良い思い出を作ってこい」と口を揃えて話した。
アシスタントキャプテンである神戸出身の久保伸太朗(くぼ・しんたろう)君(15)は、地元でプレイすることがとても楽しみで、日本にカナダの良さを伝えられれば嬉しいと言う。また「ボランティアでコーチをしてくれていたハリーさんも兵庫県出身なので遠征へ一緒に行くつもりでしたが、今回は闘病中でそれがかないませんでした。昨日ハリーさんを訪問し、プレイ以外でも日本の選手の礼儀や道具の扱い方などしっかり見てくることで、色々なことを学ぶことが出来るし、野球ができる環境にいることがとてもありがたいことだとわかると教わりました。ハリーさんにも良いお土産話を持って帰れるよう頑張ってきます」と話す。
今回の遠征は3月8日から19日までの日程で、合同練習、親善試合や見学が行われる。最終日には日本に住むバンクーバー朝日オリジナルメンバーの子孫や親類たちとの交流会も予定されている。「新朝日」のメンバーがさらに成長して戻ってくるのが楽しみだ。(取材・写真 パーバッカー真智子)